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株式会社コイケは福祉機器・健康機器のメーカーです。

技術資料


PC静音ボックス


パーソナルコンピューター 用静音ボックス。

PCの騒音にお困りの方向けに開発しようと思った箱ですが、現在では静音化が進み、思ったよりも必要なくなっている模様です。製作の過程を記録したのですが必要なくなりました。どなたかこのようなボックスを開発・利用したいとお思いの方参考になるようであればお使いください。
PCをこのケースに入れるだけで50dBを30dB以下に-20dB以上の減音(当社比)を実現できます。
PCだけでなく消音の考え方を記載しました。ご参考にして頂けたら幸いです。
なお、このページに関してのお問い合わせは、受け付けておりませんご了承ください。

特徴                        
1.大幅な静音効果が期待できます。-20dB以上(当社費*1)
2.これで夜中でも自宅PCの音が気になりません。
3.大型ミドルタワーを収納可能。
4.ファンコントローラー標準搭載。
5.十分な、放熱対策。選べるファン、仕様構成。
6. PCを変えても利用できて経済的。
7. PCの入れ替え時でも悩まずにすみます。
8.キット・完成品・半完成品をご用意。
9.吸排気の消音室を側面に配置した。小スペース設計。
*1.PCの音質・発熱状況などにより予定の性能が発揮されれない場合があります。
*.写真は塗装前のキット組立て状態のものです。

仕様

型式

PC消音ボックス「Qwiet Box H-01」

大きさ

620(奥)×450(幅)×600(高)
620(奥)×450(幅)×665(高)キャスター付

材質

MDF材

収納最大PC

500(高)×230(幅)×550(奥)

標準ファン

φ120×1・消費電力400Wクラス対応

オプション

キャスター・のぞき窓・組立

販売価格(オープン)

(税別価格、運賃別)
 

備考注意事項 キットには、基本的な組立に必要な部品・ネジがすべて入っています。
キットの販売について、基本的にDIY・木工の知識のある方に向けての販売です。道具無しでは組立てができません。

静音ボックス研究室 インデッックス

静音ボックス研究室

今回お客様にご相談を受けパソコン用、静音化ボックスを製作しました。製作過程や基本の考え方を参考までに書いてゆきます。興味のある方は、DIYでそれなりの性能のものの製作 が可能だと思いますので参考にしてみてください。

 

目次

1.静音ボックスってなあに
   1-1.はじめに
   1-2.なぜこんなものを作ったか
   1-3.確かに我が家でも
   1-4.世の中の静音ボックス
   1-5.静音化PC

2.テストボックス①
   2-1.テストボックス①の製作
   2-2.暗騒音と騒音計測
   2-3.テストボックス①の計測
   2-4.測定機器
   2-5.密閉度テストボックス①の結果
   2-6.簡易ボックスの考案

3.テストボックス②
   3-1.テストボックス②の製作
   3-2.テストボックス②の計測
   3-3.消音材について

4.試作Vタイプ
   4-1.試作V1号
   4-2.試作V2号
   4-3.試作V3号
   4-4.試作V4号   

5.消音ボックスの基礎知識
   5-1.熱量計算
   5-2.発熱量を知るには
   5-3.音とは
   5-4.音の波長
   5-5.騒音レベル
   5-6距離による消音
   5-7.ファンの雑音周波数
   5-8.PCから発生している音
   5-9.計測器
   5-10.計測環境
   5-11.吸音材
   5-12.排気口の消音を考える
 

6.設計
   6-1.消音ボックスの大きさ
   6-2.ファンの選定
   6-3.ファンのスペック
   6-4ファンの回転制御
   6-5.ファンコントローラー
   6-6.ファン選定の計算
   6-7.ボックスの材質
   6-8.のぞき窓
   6-9.丁番・錠・キャスター
   6-10.ファン電源
   6-11.縦型か横型か

7.試作H型(縦型)
   7-1.試作H型1号製作
   7-2.試作H型2号機
   7-3.試作H型2号機計測
   7-4.試作H型3号機
   7-5.試作H型3号機計測.
   7-6.実際どのくらいの静音ができたのか

道具・材料
   7-1.キット組立てに必要な道具・材料
   7-2.製品製作に使用した道具・材料

8.製作あれこれ①
   8-1.組立て作業

9.製作 あれこれ②
   9-1.ファンの取付方法
   9-2.塗装について 

10.簡易タイプの製作
   10-1.簡易タイプ
   10-2.基本設計
   10-3.製作
   10-4.計測
   10-5.結果
   10-6.温度上昇
   10-7.追加情報





1.静音ボックスってなあに

1-1.はじめに

今回お客様にご相談を受けパソコン用、静音化ボックスを製作しました。製作過程や基本の考え方を参考までに書いてゆきます。興味のある方は、DIYでそれなりの性能のものの製作も十分可能だと思いますので参考にしてみてください。

試作品です→


1-2.なぜこんなものを作ったか

私どもは、PCの専門家でもなく、音響の専門家でもありません。機械関連メーカーなのですが、あるお客様にPCの音がどうにかならないかとご相談をいただきました。 お客様のお部屋に伺うと、確かにコンピューターのファン音がします。しかし、当社の事務所にある古いPCと比べて格段に音が大きいとも思いません。

私 「どうしてこの音が気になるのです?」
お客さん 
「寝室兼PC室でサーバーとして24時間動かしている」
お客さん 「夜間の動作音を消したい。」
お客さん 「音楽や映画鑑賞時PCの音が気になる・・・」
お客さん 「今はそんなに音がしないけどフル稼働のときは結構うるさい」
お客さん 「PCを囲う箱の様なもので、対応できないかな~」
私 
「それなら箱をちょっと考えて見ましょう。」

こんな会話で静音ボックスの研究が始まりました。
最後に、
お客さん 「費用は安く。」
そんなご希望です。

どうせやるなら販売できる商品と思い、いろいろと研究してみました。
ちょっと分野外なので、手間取っていますが・・・・。
最終的に販売できればと思っていますのでよろしくお願いします。
販売はちょっと難しいかも知れないと思っていますが、何が売れるか分からない現代社会。とりあえず一生懸命研究します。

1-3.確かに我が家でも

我が家にある、妻の仕事用PCは24時間入りっぱなし(リモート通信の関係で)。夏になると異常にうるさいです。可変式のケースファンが付いて室温が上がりファンがフル回転しだすと爆音です。しかも、仕事先からの支給品PCなので手をつけるわけにも行きません。そうだ我が家のPCも静かにしてやろう。結構PC静音ボックスは使えるかもしれません。 ←脅威のファン音ヒューレットカッパード4400Wワークステーション


1-4.世の中のPC静音ボックス

 まずは、情報収集、静音ボックスについて、インターネットで国内外のサイトを当たると、サーバー用の静音ラック、オーディオ用の静音ボックスがありました。海外では、音楽スタジオ用として販売しているようです。
 箱もデカイですし、重量もあります。中に入っているのはみんなMAC。音楽用のPCはみんなMACなんでしょうか?
 価格も10万円($)ぐらいから数十万円まで、安いものは見た感じで静音静は高くないように見えますし、サーバー用は「ちょっと家庭用では・・・」って 大きさです。
 安いPCが数万円で買えるのに静音のために十万円オーバーはバランスにかけますね。業務用ではいいとしてもパーソナルではちょっと。

x←海外の静音ボックス”でかい”


-5.静音化PC

PCの静音化についての情報は、非常に多いのですが、どうも決定的な解決策は無いようです。しかも計測データがほとんどありません。

ネット上で検索して、これは有効であると思ったのは、
① 隣の部屋(または押入れ)にPC本体を置く
昔の業務用大型PCみたいですね。これは有効です。但し、スペース、配線の問題あり。万人向けではないと思いますが。
② 電源ユニットまで含めた完全なファンレス、静音化。

価格、部品の選択幅などで技術的、予算的に、結構大変そううです。
③ ノイズキャンセラーヘッドフォン。
ノイズキャンセラー装置を内蔵したヘッドフォンで、入ってくる音の周波数に合わせて可変で打ち消す周波数を出し音を消します。
何台か試したことがあります。比較的安いものでSONY製、高価なものではBOSE製。考え方としては、電子制御の耳栓。機械音などを取り除き、会話や音楽は残します。PCのノイズにはBOSEのComfort3が一番良かったです。ヘッドフォンの装着感が気にならない方、PC周辺に一人でいる方にはお奨めかもしれません。私が買ったも物は、結構高価で¥35.000-ほどしたと思います。

 そのほかにもCPUの低発熱化、ファンの低回転化、HDD静音ボックス、部分的なファンレス化、水冷などいろいろありましたが、対価効果でみると「どうかなー?」って物が多かったです。

 多くのホームページで「効果をあまり期待するな」みたいなことも書いているのが非常に面白かったです。
HDD静音化ボックス


2.テストボックス①



2-1.テストボックス①の製作


 細かいことをいろいろ考えず、「うるさいものにはフタ」って事で箱を作って入れてみました。排気も考えずただの箱。
 
試験のため厚さ12㎜のコンパネで製作、中にはテストのために電動ドライバーの充電器を入れて聞き比べ。

 騒音測定器はあるのですが、環境ノイズ(通常の周辺雑音)が大きいためちょっと比較計測しにくいです。外で車が走ると計測器が大きく変化する。 計測が大変です。少しでも静かで暗騒音が安定している夜中に計測しました。


2-2.暗騒音と騒音測定




騒音レベルの合成
 いくつかの騒音源がある場合、以下のような式で合成音から特定の騒音を簡易的に検討できます。
 
式:L=10log(10L1/10-10L2/10)
 
L:合成した騒音レベル
 
i:個々の音源による騒音レベル
 
例えば、
暗騒音:35dB
音源の装置の1mの騒音レベル:45dBとすると
L=44.54dBとなります。
 
計算が面倒な方は,宮崎県環境科学協会のHPに自動計算ソフトの簡易計算がありました。今後、これらの計算を使い、発生音の騒音の大きさを比較してゆくことにします。



 2-3.テストボックス①の計測


   ①まず充電器単品で計測。結構大きな音だ。この充電器、うるさいの音に近いと思います。
 

②ウレタンなしの箱に入れる。蓋をしないと単体よりうるさい。

 

③蓋をする。結構静かになるが、それなりにはうるさい感じ。

   20㎜ウレタンを5面に入れる、ふたが開いていても吸音材で音が大きく変わった。
   

フタを閉める。数メートル離れると稼動しているのが分からない程度

ドアの面にもウレタンを入れたがさほど変わらない。

箱の底のウレタンを2重に。計測器には現れないが音質が変わって静かになったと感じる。

   ⑧⑦に耳を近づけるとフタの隙間からかすかに音が漏れているのが分かる。市販されている隙間テープを購入して張り付けると、隙間からの音は、ほとんどしなくなった。
   ⑨フタの隙間にスポンジテープ


 単位  距離30cm  距離 1m  騒音L2(.*1) 1m  
 ①暗騒音  33.0  33.0    何もしない状態での部屋のノイズ
 ②充電器単品  50.6  49.5  49.4  結構気になる音
 ③箱に入れた状態 (フタ開)  54.9  47.1  46.93  
 ④箱に入れた状態 (フタ閉)  41.2  39.8  38.78  
 ⑤箱内ウレタンを5面 (フタ開)  47.1  42.0  41.42  ふたが開いていても吸音材効果大
 ⑥箱内ウレタンを5面 (フタ閉)  34.2  33.0  19.73  スイッチon offで違いが分かる
 ⑦箱内ウレタンを6面 (フタ閉)  34.2  33.0  19.73  5面と違い分からず
 ⑧⑦+底のウレタン2重に(フタ閉)  34.2  33.0  19.73  計測数値変化ないが静になった
 ⑨フタの隙間にスポンジテープ  33.0      隙間からの音漏れが減る


*1.計算式  式:L=10log(10L1/10-10L2/10)

2-4.計測機器

 今回使用した計測器(カスタムSL-1350)は、低騒音は35dBまでの騒音を計測可能なものです。  一般の騒音測定器で、通常の建物内では、30dB以下の計測はなかなか難しい様です。とりあえず、30dB以下の測定は耳に頼ることになると思ます。
*.後日、何種類か計測器の比較を行いました。騒音dB数値の差はありますが、暗騒音と計測結果の差から音源騒音を計算すると、大きな差がありませんでした。そこで、これら計測範囲以外の計測も参考に出来そうなので掲載しておきます。
最終的には無音室を持った計測施設で計測しなければ、数値化は難しいみたいです。開発過程では、正確な計測が難しいので、比較検討用として計測値を記録して行きます。


2-5.テスト箱①の結果


 PC自体の音は、簡単な箱と吸音材で閉じ込めることが出来ました。ボックスが小さく、板厚も薄いため耳を近づけるとはっきり音が分かってしまいますが、ボックスの大きさ、木材、吸音材の厚さを厚くすることによって十分な静音化ができそうです。
 今回簡単に作った箱で49.5dB→33.0dBへと16.5dB(暗騒音をから計算した特定騒音の計算の場合-29.67dB)の減音が出来ました。
 あくまでテスト結果ですが、この数字を出すために、PC改造するとしたら 、相当大変だと思います。
サーバーなど60dB70dBの音を消そうとすると、それなりに大掛かりになるかもしれませんが、50dB程度のPCの音を、ある程度を消すのは比較的簡単なようです。


2-6.簡易ボックスの考案




真夜中に音がしないレベルまでの静音は結構大変ですが、事務所や昼間に使うPCの減音でしたら簡単な箱でも可能ではないでしょうか?ファンも使わずに比較的安価にできると思いますので挑戦の価値はありそうです。


 最初は上からかぶせるタイプの箱を検討してみましたが、熱の問題でなかなか難しいです。
 実は、一番最初に作ったのがこの箱なのです。
 プラスチックのプレートで箱を作り、内部に吸音ウレタンを貼り付け、PCにかぶせてみました。いい加減に作ったこともありますが、ほとんど効果がありませんでした。
 
また、上からかぶせると思ったより、操作性排気製が悪そうです

 

 効果があったのは、正面が開いた5面の箱、裏側に十分な空間スペースをとり放熱させれば、思ったり消音効果が期待できます。
 場合によっては、隙間をうまくコントロールしてPC本体のファンでうまく排気をさせることも出来るのではないでしょうか?
配線にしても隙間から前方向に出せばいいと思いますし、難しい部分がありません。

 

 事務所で昼間に使うちょっとうるさいPCの静音化であれば検討の余地ありです。
 
うまくいけば、特別にファンを付けなくていいんじゃないかと思っています。

時間が在る時に一度トライしてみたいと思います。



3.テストボックス②

3-1.テストボックス②の製作

 前回テストボックス①を製作しましたが、外部にファンを取付けてより現実に近い形で音の発生を確認してみました。  フタには排気口を付けました。ファンは、とりあえず近所で安く売っていた超静音ファン。

Raid Max、D12BL-12
  D120×W120×H25mm回転数:1200rpm音圧レベル:19dB最大風量:41CFM

  このファン、はっきり言って静かですが、多分ただ単に回転数が低いだけだ と思います。このような構造で、どの程度音がするのか確認してみました。


3-2.テストボックス②の計測

単位dB

距離50cm

距離
1m
機器の騒音
L2(*1 1m
備考
暗騒音 36.0 36.0
充電器単品 45.7 43.5 42.65
ボックス単品ファン運転 37.5 36.8 29.06 暗静音に計測誤差
ファン停止フタ開 45.7 42.9 41.91
ファン停止フタ閉 40.5 37.9 38.6
ファン運転・フタ開 45.5 42.6 41.53
ファン運転・フタ閉 40.0 38.9 35.78

1.計算式  式:L=10log(10L1/10-10L2/10)

 テストボックス①で簡単な箱に入れたら思った以上に音が消えたので安易に考えたのが間違えでした。予想以上に音は消えませんでした。
 はっきり言って、失敗です。
 吸排気の消音ダクトがちょっと簡単すぎたようです。正面の板に穴開けただけでですから・・・。吸気口から内部の音が出ています。
 排気用ファンからの音は、思いの他しません。ファンも低回転ですので内部の充電器の音の方がうるさいです。最大42.65→35.78dB 、-6.87dBの減音でした。

 この結果から、いい加減に作ると減音できないことが分かりました。やはりもう少し大きい箱で、吸排気部分には消音室の付いたものを作らないといけないことが分かりました。

3-3.吸音材

 音を消す方法は、通常、吸音と遮音があります。
 吸音で代表的なものはグラスウール。消音では多くのものに利用されています。吸音材は音を熱に変換して音を消す原理です。
 一方遮音材は、遮音シート、石膏ボード、鉛板などが使用され音を跳ね返して外に出さないようにするものです。

今回遮音、吸音材として木材。吸音材としてウレタンスポンジを使用 の予定です。ボックス本体は、木材。DIYにもっとも適した材料です。
DIYでは、グラスウールのチクチクの処理が問題になると思われたので、高価ですが、市販されている吸音ウレタンシート(スポンジ状のシート、)を採用します。詳細はあとで。

(写真左グラスウール、右ウレタンスポンジ)

3-3.吸音材

 音を消す方法は、通常、吸音と遮音があります。
 吸音で代表的なものはグラスウール。消音では多くのものに利用されています。吸音材は音を熱に変換して音を消す原理です。
 一方遮音材は、遮音シート、石膏ボード、鉛板などが使用され音を跳ね返して外に出さないようにするものです。

今回遮音、吸音材として木材。吸音材としてウレタンスポンジを使用 の予定です。ボックス本体は、木材。DIYにもっとも適した材料です。
DIYでは、グラスウールのチクチクの処理が問題になると思われたので、高価ですが、市販されている吸音ウレタンシート(スポンジ状のシート、)を採用します。詳細はあとで。

(写真左グラスウール、右ウレタンスポンジ)


     

4.試作V型(縦型)


4-1.試作V1号

ホームページ「静音ボックス研究室」の流れとは違いますが、各種テストと同時進行で”縦型静音ボックスV1.V2.V3と立て続けに試作しました。
基本構造はあまり違わないのですが、構造や使用部品を変えながら作って行きました。写真資料あまり残してなかったので文章とマンガで説明しておきます。
V1は、コンパネ(12㎜厚の合板)で製作した試作1号機で基本構造は以下の図のようです。ファンはφ92㎜2500回転×2個。最初はファンコントローラーも搭載せずに製作しました。
吸排気の消音室も設けちょと本格的な構造になってきました。内部には消音ウレタン20㎜を貼り付け外部への音漏れを確認しました。
正面ドアの隙間の音を消す良い材料が無いかいろい比べたのですが、結局、安価ないホームセンターで売っていた隙間テープに落ち着きました。これでドアの隙間からの音漏れがなくなりました。
試作V1号のテストの結果、相当のレベルで音が消えることが分かりました。これであればいけると思い。試作機V2の製作に入ります。





4-2.試作V2号

 V2ではV1を改造して背面に穴をいろいろあけて音のもれ方や、吸気側のチャンバー室の必要性を確認しました。
 裏側にφ50の穴をいくつか開けて吸気側のチャンバー室が無くてもどうにかなるか確認しましたが、やはりちょっと無理そうす。背面にただ穴を開けただけでは音がもれてしまいます。音漏れを防ぐためパイプなどを使ってみましたが効果があまり出ませんでした。やはり消音室は必要みたいです。
 背面のPCへの配線接続用の窓の大きさや構造。配線の取り出し口の構造などを検討しました。
 排気側の消音室は配置しやすいレイアウト(背面上側よりファンで排気して前面上側で外に出す。この構造はシンプルでいいのですが、問題点は上面に排気口があるとペンなどを落としやすく上に物を載せられないことです。

4-3.試作V3号

 V3では、排気口を正面とし、お客様に試していただけるレベルまで出来上がりました。ファンはφ92×2000回転
早速実機テストです。入れたPCは、お客様の自宅サーバーHDD×6枚仕様です。
 昼間にPCを静音ボックスに入れると、少なくとも冷蔵庫の音のほうがうるさくボックスからの音はしません。計測機で室内の暗騒音を計測すると約35dB。この程度の部屋では、ほぼ完全に音を消すことができることが確認できました。耳を近づけないとPCの音も、ボックスのファンの音も聞こえません。 ファンの交換抱くとのメンテナンスができるように上面が開くように設計しました。
 

 問題として言われたのは、「排気口が正面だと消音室内の風切音が聞こえやすい」「前にいると生暖か風が出るのでちょっと気持ち悪い」ってことでした。
 もう一つ問題が、オーバーヒート。入れたPCの発熱量が大きすぎます。PCに負荷をかけると見る見る温度が上がって行きます。電源は600Wタイプです。これではダメです。
 お客さまの持っている、もう一台のPC(電源容量300W)では、温度も問題なく十分冷却できている状態です。V3静音ボックスを持ち帰り改造することとしました。

4-4.試作V4号機


先日、持ち帰った静音ボックスの改造です。まずは、吸排気の消音室自体とダクト径を大きくしました。前面に出ていた排気をもう一度180度回転させて背面に出しました。
ファンのスペックはそのままです。ファンの容量不足を承知で消音室の構造の比較のため同じものをつけました。これで、再度、お客様宅に持ち込みチェックしてもらいました。

実用で問題になったのは、「ファンがフル回転だと夜中静かになると、ファン音が気になる」ことです。いろいろ試していただいた結果、ファンコントローラーでの回転数の調整でファン音が消せること。そして冷却も 特に問題ないとのことでした。
 

これらのお話から、
①PCの音自体は比較的簡単に消すことができる。
②静音ボックス自体のファン音を消すのが結構むずかしい。
③ボックスの冷却用ファンは、思ったより小さくてもいい(PCの発熱は連続していなく最大発熱量の時間はおもったよりすくないらしい。)
ことが確認できました。

お客様にはとりあえず、1ヶ月ほど使っていただきましたが、、大きな問題は ありませんでした。最終的に問題になったのは大きさです。このケース試作のこともありおおきめに作ったのですが、大きいです。工場では気になりませんでしたが、一般住宅の部屋に置くと圧倒される大きさです。PCのケースには見えません。
今後、構造を縦長と横長で考えていますが、大きさのイメージですと横型のほうがいいかも知れません。ただしPC2台を入れる場合はこの形が一番いいんのではないかと思います。

白っぽい部分が改造 大きいです 裏側の吸排気口
上部フタを開けた消音ダクト 吸気消音チャンバー フタはネジ止め














5.静音ボックスの基本知識


熱量の計算

コンピュータが発生する熱の大きさは 、どのくらいなのでしょう?
発生源としては、CPU、HDD、DVDドライブ・・・たくさんありますが、大雑把な考え方として、
電力P(W:ワット)≒(バーツの消費電力の合計)
と考えていいようです。文献などを読んでいると、消費電力の90パーセントぐらいが熱になると書いてあります。ですから消費電力=発熱量と考えて ほぼ問題なさそうです。

この熱量はけっこう大きなもので、例えば、常時200W消費のPCが、フル稼働するとすると1時間なら 200W×0.86kcal/h172kcal/hを発熱します。

1カロリーは1gの水の温度を1℃上昇させるのに必要な熱量ですから。コーヒーであれば1時間で10杯分を沸かすことが可能(200ml×10杯を86℃に)です。風呂であれば1時間で10Lの水温を17.2℃度上げられるので、20時間でお風呂いっぱいの水(約200L)を25℃から42℃に沸かすことが出来るほどの熱量となります。 夏場では相当熱く感じるぐらいの熱量です。


冷蔵庫PC

よくネットで、「静音・冷却両方を兼ねて家庭用の冷蔵庫に入れちゃおう?」なんて話が出てますけど、これは、ちょっと難しいんじゃないでしょうか?。冷蔵庫の消費電力は容量400Lクラス(けっこう大きい)で120w(コンプレッサー)程度と表示されています。冷蔵庫の効率がどの程度かは知りませんが、先に書いた熱量の考え方から、コンプレッサーの出力以上の容量の冷却は無理でしょうから、100 W/h程度の電源までのコンピューターの冷却しかできないと思っていいのでしょう。400リッタークラスの冷蔵庫でこの程度ですから・・・。小型の冷蔵庫では、ちょっとむずかしそうですね。それより冷却だけ考えるのであれば、押入れにエアコンを付けるのが一番コストパフォーマンスが良いんじゃないかな~と、思ったりします。エアコンは1000W/hクラスですので十分冷却できると思いますよ。


発熱量を知るには

熱量=消費電力ですのでPCの部品の消費電力の合計を出せばいいわけです。しかし部品が多くて正確な数字を計算するのは大変です。 部品をチェックしながら消費消費電力を算出しても良いですが、簡単な方法は、
メーカー製PCであればカタログをみてください。通常最大消費電力で表示されています。
BTObuild to Order)や自作機では電源容量を見てください。電源のワット数が書いてあると思います。考え方としては、PCに付いている電源の70~80パーセントぐらいをめどにするのがいいと思います。通常はその程度を目処に電源と各パーツの選定を行っている と思います。

たとえば500Wクラスの電源が付いている場合。
500
W×80%=400
 実際の消費電力は、それ以下のものが多く、この数字は最大の消費電力ですから、常時運転はその半分以下だと考えられます。 

消費電力を知ることは、消音ボックスの送風ファンを最小限に出来ますので、問題になるファンの音を、できる限り小さく出来ます。
これらの数字は、大雑把ではありますが、冷却計算の目処となります。
正確な消費電力を求めたい方は、消費電力計か、電流計で、PCに プログラムで最大負荷をかけた状態で計測してください。
今は便利な測定器が安価に販売されています。消費電力から電気料金、CO2排出量まで・・・。 色々なものを計測すると節電・CO2削減と結構面白いです。
 

→写真はサンワサプライ TAP-TST7 ワットチェッカー
電流・電圧・電力・皮相電力・電源周波数・力率・積算電力計・積算時間まで分かる優れもの。ネットで6.000円ほど 販売してます。

 


とは

というのは空気の振動です。音は空気中を一秒間におおよそ342メートル進みます。人間の感じることのできる音の高さは、20Hzから、2.0000Hzです。

Hz(へルツ)というのは音の高さの単位で、一秒間に振動する回数のことです。
振動数の少ないほうが、つまりヘルツの数字の小さいほうが低い音で、大きいほうが高い音となります。

音の大きさはデシベル(dB)という単位であらわします。これは絶対的な音の大きさではなく、ある基準に対して何倍大きな音であるかをあらわしたものです。

音圧(波の幅)は20dB違うと十倍になります。対数尺ですので40dB違うと100倍になります。人間の耳は、聞こえる一番小さな音から、耳を傷めてしまう大きな音までの幅が、約120dBですので、百万倍の音を聞き分けていることになります。一般的には音の大きさを何倍というときは、この音圧のことをさしています。
ただし、人間の感覚としては、10dBの違いを約2倍に、20dBの違いは四倍に感じます。


音の波長

音は温度により伝播速度が異なります。温度が高いと速度が早くなります。音の速度=243/s(20℃)であり、1℃上昇ごとに0.6/s早くなります。

波長と周波数の関係は
C
=λ・f
(速度:c  波長:λ  周波数:f)
の式で表されます。

人間の耳に聞こえる周波数は20Hz20.000Hzだと言うことなので、
例えば
f=20Hzであれば、波長λ=C/f=17m。
f=20.000Hzであれば、波長λ=C/f=1.7c
となり音対策の目処になります。
ちなみに人間の会話は100Hz300Hz程度の周波数だそうです。 


騒音レベル

JIS規格で規定される騒音計で測定したdB(デシベル値)、A特性の周波数特性を行った音圧レベルのことです。標準的な騒音測定の数値 で、ほとんどどの測定器にも付いているので比べやすいです。ただし、音の感じ方は複雑で、なおかつ個人差もあるので目安としての数字となります。
詳しくは測定器メーカー(小野測器)さんのHPに詳しく載ってます。

一般的に言われる音の大きさの体感は以下のようです。

騒音レベル
100db 電車の通る時のガード下
90db 騒々しい工場、犬の鳴き声(正面)、カラオケ(店内中央)
80db 地下鉄の社内、ピアノ(正面1mバイエル)
70db 騒々しい事務所、騒々しい街頭
60db 静かな乗用車、通常の会話
50db 静かな事務所の中、クーラー(室外、始動時)
40db 市内の深夜、図書館の中、静かな住宅地の昼
30db 郊外の深夜、ささやき声
20db 木の葉のふれあう音、置時計の秒針(前方1m)、騒音計で計測できる限界
10db 小さな寝息、雪のしんしんと降る音
0db 普通の人に聞こえる限界

そこで手元にある騒音計測器で、私どもの事務所の騒音レベルを計測しました。事務所中央で計測したところ45dB人気が無いとき)

も測ってみました。結構大きなファン音がします。先日もビデオカードの冷却ファンが泣き出したので無理やり交換しずいぶん静かになりました。それでも近くでは結構音がします。(主にCPUファンの音です)30cmの場所で51dB1mのところででした。上の表からすると、静音ボックスの目標は30dB以下ってところでしょうか。


距離よる消音

消音には音源からの距離も大きな効果があります。
 Lr=Lw-3-10×log10(r)

計算では、30cmの場所で40dbだと→1>mの場所で29.54db→1.5  26.02db
30cmの場所で35dbだと→1mの場所で25.4db
30cmの場所で30dbだと→1mの場所で19.54db

これは、騒音源からの距離が2倍になると騒音レベルは3dB低下することを意味します。距離による消音効果は高いと考えていいです。

PCがうるさかったら机の下に入れたり、できる限り遠くに置くなどの対策も十分効果があるのです。


ファンの雑音周波数

ファンの雑音の周波数特性を見てみましょう。いろいろテストした結果、最終的に消すのに苦労するのは、送風ダクトを伝わってくるファンの音、風きり音だと現在予想しています。そこで、ファンの音源周波数を推測します。 

ファンの音源周波数は、ファンの羽根の数をN、回転数をP(rpm)とすると、音源の周波数fsは、 fs=N*P/60 (Hz)
上の式から

ファン径80φ 7羽 3000-4000rpmの場合   350-466Hz
ファン径92φ 7羽 2500-3000rpmの場合   291-350Hz
ファン径120φ 792000-4000rpmの場合  233-600 Hz 

ちなみに
 CPUクーラーの場合、回転数4000rpm、羽根の数を7~11枚とすると470730Hz
 換気ファンの場合は、回転数を25003000rpm前後とすると、290Hz550Hz
あたりとなります。結構低い音で消すのに苦労しそうです。


PCから発生している音

 PCの音質を、周波数測定機で計測してみました。大雑把ですが写真のような特性で、低周波域の音がでていることが分かります。このあたりの音を いかに効率よく下げるかがポイント になりそうです。上記ファンからの雑音とも重なります。

→計測器PAA3を使用した。結果20~3.000Hzの音が多く出ていることが分かる。


計測器

 これまでの騒音計測には、3台の騒音計測器を使用しています。最初に以前から持っていたカスタムSL-1350、30dBまでが測れる安価なスマートセンサーAR814,オーディオ用に購入したフォニックPAA3、この3台です。

 SL-1350は、35dBから。AR814は、30dBから。PAA3も同じく30dBからの騒音計測が可能なスペックです。40dB辺りの計測値はSL-1350もAR814も同じようなのですが、35dB以下 精度はいまいち不明です。PAA3は、ちょっと低めの測定値が出ます。そのため、すぐに30dB以下 の計測範囲外になり計測不能になってしまいます。PAA3はJISのA特性以外のフラットでの音測定ができますし高機能なので 、A特性での計測ではなくフラットの測定に使用しました。
 より精度の高い騒音計 が必要だとは思うのですが、結局20dB台の計測は、無音室など特別な環境でないと難しいことが分かって来ました。30dB付近 以下の測定は、周辺環境にも大きく左右され(車が通っただけで計測値が相当ぶれます。)安定した測定が難しいです。
 一般に販売されているハンディいタイプの高価な騒音測定器でも、計測は範囲は28dBからになっていますので、通常環境で計測するにはこの辺りが限界なのでしょう。
 私たちが、通常計測できるのは、暗騒音も含めた計測で、比較には計算した数字を利用することとなります。
 最終的には、完成した静音ボックスを無音室に持ち込んで単体と、PCを入れ稼動させた時で計測 の数字を出さないといけないとおもいます。
 ただし、中に入れるPCのノイズの質にもよりますので数値化して「こちらの方がこのくらい静か!」って、一言で表すのは、難しいのではないかと思っています。


計測環境

主な測定は工場建物に入れた1BOXカーのなかで計測を行いました。 すべての計測がこの計測場所ではないですが、(自宅・事務所などでも計測しています。)できる限り環境騒音(暗騒音)をへらすために色々な場所で暗騒音を測定して一番静かなばしょがココでした。
工場建物内に1BOXカーを入れて、その中で、夜間計測することが一番いいようです。夜中であれば30dB前後の暗騒音です。最初計測用のボックス(部屋)を作ろうと考えたのですが、中途半端なものを作ると意味がなさそうなので今回はやめました。そのうちに、DIYしたら結構面白そうですが・・・。


どこまの消音が必要なのか?

試作や計測を繰り返しているうちに、人の音の感じ方は周辺環境に大きく左右されることが分かってきました。簡単に言えば騒音Aも、それ以上大きい騒音Bが回りにあると、騒音Aが気ならなくなっちゃうってことです。
現実に、エアコン稼動時にはPCの音が気にならなかったのに、エアコンを止めると急に気になりはじめます。人間は、気にしてる音、大きな音が気になるようです。どの程度PC騒音を減らすかは周辺の騒音状態によります 。今、事務所で、PC静音ボックスをテストしていますが、全く音を感じません。完全に音がしない感じです。ところが同じPC静音ボックスを非常に静かな場所に持ち込むと、あら不思議 、音がし始めます。こんな感じですので、周辺がどの程度静かな場所で使うかによって、静音性能をどの程度にするかが決まってきます。

もし、あなたが、40dB(静かなオフィスの騒音)の環境で使用するなら、結構簡単な消音ボックスでも効果があるでしょう。25dB(夜間、非常に静かな場所)以下で騒音を完全に消したいのあれば、 PCの改造も含め、それなりの装置を必要とするでしょう。
このように、どこで、どの程度騒音を消したいのかが、非常に重要です。

製作した感想ですが、一般住宅で夜中音がしないレベル(30dB以下だと思います)は、それなりに製作に経験・知識が必要だと思いますが、35~40dBぐらいであれば結構簡単な構造でも作れるんじゃないかと思います。

30dB以下は、一般の計測器では測りにくいレベルになりますので、トライしてみるのが一番早いと思います。当社で今後、計測器・デモ品ご用意できればと思っています。試してみたい方は、ご一報ください。


吸音材

 周波数特性から適合した吸音材を探してゆきます。理論より先に吸音材をいれて 実際に試してみてしまいましたが、後で音圧レベルの測定器でPCから発生する雑音を計測した結果、消したい周波数は20~3.000Hz程度であることがよく分かりま した。それ以上の高音域は、それほど出ていません。 
 このあたりに効果がある吸音材を探してみます。その結果、取り扱いがよく、消音材としてよく使われている吸音ウレタンスポンジ 「カームフレックス」を選ぶことになりました。
 

表を見 ると分かりますが、今回使用した吸音材「カームフレックスF-2」は2.0003.000Hzピークの周波数の消音特性を持っていますの で目的に合っています。実際に使用したところケース全体から出る音は良く消えた感じです。

 

 

 

 

 参考までに、消音に良く使われるグラスウールは垂直入射吸音率の曲線が少し高周波数よりな感じで3000~4000Hzぐらいです。経験的には密度40Kで50㎜ぐらいだと一番コストパフォーマンスがいいんじゃないかと思うのですが・・・チクチクの問題で今回は使いません。 素人が扱うと結構大変です。

 

 今回、試している吸音材より低音域をより吸収するウレタン吸音材に「カームフレックスF-4」 を購入してみました。 表面がコーティングされており低音域の吸収がF-2より優れています。聞き比べてみるとわずかですが 音質が変わります。 条件次第では効果が期待できそうですが、価格もそれなりなのでその差をどう考えるか難しいところです。

 上の表をみていただくと分かると思いますが、吸音材を厚くすれば消音効果が高くなるので、ウレタンの材厚を上げるのもひとつの 方法です。例えば20㎜→30㎜に変更。
 高性能なウレタンを使用するか、材厚を上げるかちょっと悩むところですね。


 排気口の消音を考える

 排気口のファン音を消したいのであれば、前に「ファンの音源周波数」で書きましたが、ファンから出る周波数は、300700Hzあたり と思われるので、吸音材だけでは十分とは言えません。
 工業製品に用いられる、拡張型消音器・音響迷路の消音・吸音材による消音。これらの方法が有効じゃないかと考えています。実際にはそれらの複合になってしまうと思いますが。 

 膨張型消音器
 
まずは、消したい周波数を設定します。
ファンの周波数特性やウレタンの吸音特性から200-1.000Hzがターゲットです。
 膨張型消音器は車のマフラーなどでよく使われている方法で、細いパイプから膨張室(チャンバー)で空気が膨張することで音を消す方法で す。
 式は以下のようになります。
 減音量は
   ATT= 20log(m) dB 
   maxF =n×C/(4L) n:次数 (1,3,5....)

 拡張型消音器は断面を急拡大させたもので、ダクトと膨張部の断面積比で減音量が決まり。膨張部の長さで減音される周波数が決まります。
 温度による補正は今回入れないで計算しました。
 例えば周波数750Hzを消したいと思ったとき、波長と周波数の関係は
  C=λ・f
   
速度:c
   波長:λ
   周波数:f
   f=250Hzであれば、波長λ=C/f=243/2500.972 

1/4波長のとき最大の効果があるという事なので暫定的に、波長λの1/4が膨張室の長さとなるという事なので243

250Hzをターゲットとすると膨張室の長さ243㎜となる。
これで250Hz750Hz1250Hz・・・に減衰の波が来る消音器が出来る原理です。

 

 

 

 

ただし、現実には風量を確保したいので、あまり挿入口の大きさを小さく出来ないと思いますし、膨張室と流入管の断面積比が大きいほど減音効果が大きいとのことなので(通常10倍で-15dB程度だそうです)膨張室を大きく できるか問題なるとおもいます・・・。

ざっと計算するとなかなか難しそうです・・・。
スペースが許されるなら波をずらして多段の膨張室を作って幅の広い周波数の減音を目指す方向なんでしょうが・・・。
 

ダクト曲がり吸音効果
 
ダクトをまげて吸音材で減音する方法です。ダクト幅が大きほど、吸音材の厚みが厚いほど低域周波数帯まで効果があるそうです。こちらの方が、今回は膨張式消音より効果があるかもしれません。

 設計は、上記の理論で設計。一応多段で、吸音材との組み合わせ で消音効果を上げる。最後は、実機でスペースと風量と減音の妥協点を探ることになると思います。

6.設計


6-1.静音ボックスの大きさ

基本情報はどうにか集まりました、さあ基本設計を始めましょう。
まずは、静音ボックスの大体の大きさを決定します。ミドルタワーは大きさに相当バラツキがあるので決定に苦労しました。数十種類のケースのデータを集めて大きさを決定します。
高さは400~550㎜/幅は180~230㎜/奥行きは400~600㎜/こんな感じです。
特別に大きい数字を外して、ほとんどが入るであろう大きさで、なおかつ材料取りで無駄が出ない大きさを探してゆきます。最終的に 一般的なほとんどのミドルタワーPCが入る設計だと思います。
今回は、ミドルタワーの大きさと木材の材料取り、ボックスの置き場の大きさなどから設計し、PC収納部分の容量は65リットルぐらいの設計になりました。
ボックスの大きさは基本的には、小さい方がよく、無駄なスペース、無駄な材料を使いません。
ただし、あまり小さくすると空気の通るスペースが無くなってしまいますので、注意が必要です。特にファンの前後の空間が取れないと、音が大きかったり、十分な風量が得られません。  ファンメーカーによるとファンの直径と同程度の空間をファンの前後につけることが理想なようです。ファン前後の空間が取れない場合は、能力を減じて計算することになります。しかし現実としてはなかなか難しくて試行錯誤になりした。

このサイズで、入らないミドルタワーもあるでしょう。MACの大きいのは、ちょっときついかも しれません。場所をとりすぎて置けない場合もあるでしょう。そのときはオーダーか自作をご検討ください。木製ですから比較的簡単にオーダーで製作できると思います。

 

 

 

 

 

 


6-2.ファンの選定

いろいろテストを繰り返すうちに、送風ファンの音をどうやって小さくするかが一番の問題になりそうな気がしています。静かで強力なファンを探して行きます。

通常の機械などを作る場合は、だいたい、シロッコファン(多翼ファン)か軸流ファンの選択になるのですが、大きさのバリエーションの多さと、価格で軸流ファンとしました。量産しているせいか、軸流タイプのケースファンは安いです。

シロッコファンは静圧は出せるのですが、1個数千円から数万円もするし、近所のPCショップやネットで簡単に 入手できるものでもないからです。

換気扇のシロッコファン

PCケース用 軸流ファン

ちなみに軸流ケースファンは消耗品で、20.000~50.000時間程度で交換することが前提になりそうです。20000~50000時間てことは、24時間稼動の場合2~5年程度になります。
そこで交換が可能な設計、取付形状も考慮しておかなければいけません。ファン自体の価格は千円~数千円ってところでしょうか。


6-3.ファンのスペック

ケースファンと呼ばれるファンの種類は山ほどあります。大きさもφ45~φ200程度まで。回転数も800rpm~5000rpmぐらいと幅広く販売されています。

箱の中の排気に使う予定なので静圧(静圧が高いほど、抵抗の大きな風路でも風量を大きく取れる)が高く、風量の大きい、音の静かなものを選ぶ必要があります。
インターネットなどのケースファンについての情報には、静圧についてあまり書かれていませんが、今回のような使い方では重要な要素となります。音を消すために狭い空間を通して吸排気するので静圧が必要なのです。

ファンの大きさは、ケースファンとしてよく出回って、価格もこなれている、φ80、φ92、φ120のいずれかでしょう。

風量・静圧・ノイズの関係は大体こんな感じでしょうか。

■風量を大きくする→ファン径を大きくする。回転数を上げる。ファン厚を上げる
■音を小さくする→回転数を小さくする
■静圧を大きくする→回転数を上げる、ファン厚を上げる

 

 

←ファンの厚みの違いφ120ファン 右25㎜、左38㎜

 

ファンの軸受けについてですが、ベアリングとスリーブがあるようです。スリーブタイプの方が軸の回転音が少ないそうです。出来ればスリーブタイプを選びたいのですが、ファン径の大きさ、回転数から選択しにくいかもしれません。
ファンの選択の方法として、ファンの性能曲線データを検討するのですが、性能曲線などのデーターが無いファンも多いので困ります。
今回、計算基準として選んだのは、最大手の三洋電機のファンモーターです。種類も豊富、詳細なデーターがあります。但し三洋電機のファンモーターは高価であることがネックになりますが。

信頼のMADE IN JAPAN 三洋電機のケースファンと、比較的安くて評判のいい、MADE IN TAIWAN X-FAN(XINRUILIAN) で検討してみました。

調べ切れませんでしたが、ファン径、ファン厚、回転数が同程度であれば極端なスペックの違いはないと思います。ファン径、ファン厚、回転数で実際にに回して静かなものをお選びいただくのがいいと思います。

ファン購入時の表示に騒音dBが表示されています。数値が低い方が静かだとは思いまが、、取付けて負荷をかけると思わぬ音がしたり、風切音が大きく変化したりします。表示されている計測値は、無音室でぶら下げて1m離れたところで計測されています。これだと、ボックスに取付けた場合に問題になる、低い周波数の振動や取付ダクトのファン前後の騒音は ほとんど表われませんのでご注意ください。
表示してある計測値は目安とした方がいいです。 経験で言うと、本当のところやってみないと分からないって感じです。

ファンの取り扱いについてですが、結構デリケートで落下に注意と書いてあります。落とすと軸部分に過重がかかり、軸部分の雑音発生の原因になるそうです。できる限り注意して扱ったほうがよさそうです。


6-4.ファンの回転制御

PC用のケースファンのほとんどは回転数制御が可能です。回転数を制御することにより回転数を必要としない時、回転数を落としてファン音を減らせます。

簡単に言うと出ている配線で種類が異なります。
3ピン:一般売られているのがこれ、ファンコントローラーなどで回転を制御可能です。
4ピン:PWMと呼ばれる回転制御用ファン。PC上で制御が可能なため自動で制御が可能です。

気をつけなければいけないのは、3ピン付きのファンは、4ピンタイプの差込実で使う時です。4ピンつきのファンの場合、3ピンタイプのコネクタに接続可能です。(コネクタ加工必要な場合あり)


6-5.ファンコントローラー

ファンの回転を制御して風量を変化させることが出来る装置です。
必要以上のファンの回転は、騒音を発生させます。騒音対策にはファンコントローラーは非常に有効です。ぜひとも取付けたい部品です。
種類はそうとうあります。複数個のファンをコントロールできるもの、回転数や温度表示ができるもの、ファンの停止をアラームで警告するものなどです。
ファンコントローラーを使用するのであれば、同じタイプのファンタイプでも回転数の大きいものを選び、回転数を落として使用するのが効果的です。最大風量、静圧も出せますし、うるさければ回転数も落とせます。
後から出てきますが、通常のは発熱量のPCに必要なファンの数としてはφ120クラスが1~2個だと思います。 よって制御できるファンの数は1~2個でよく、シンプルな物がいいと思います。
今回は、Sumbeam社製(#5インチベイ内臓2chサーマルインジケーター付DTC-BKを選びました。取り付けは5インチベイなので、木製のボックスに取り付けるには少々工夫が必要です 。

今回は、静音ボックス自体にスピードコントローラーを取り付けていますが、最終的には、中に入れるPCで制御するのが理想です。それにはPWNのファンをUSB経由でPCでコントロールなんて方法がいいのかもしれません。


6-6.ファン選定の計算

発熱量とボックスの大きさ、吸排気口の概ねの大きさが決定しましたのでファンの選定をします。送風口の抵抗などにより計算が変わりますが、今回製作した静音ボックスでの計算結果は以下のとおりです。
最終的に発熱量を25%増しで計算していますので十分余裕が在ると思います。ワンランク下のファンの使用も可能であるぐらいだと考えています。

  ボックスファンの選択(計算条件、ボックス容量≒65リットル)


ファン径

φ92㎜

φ120㎜

ファン厚

25㎜

25㎜

38㎜

回転数rpm

2000

2500

3000

3500

2000

2500

3000

2000

3000

3800

ファン音圧レベルdb

25

30

35

40

30

35

40

30

35

50

200w

1

1

1

1

1

1

1

1

1

1

300w

2

2

2

2

1

1

1

1

1

1

400w

3

2

2

2

2

1

1

1

1

1

500w

3

3

3

3

2

2

2

2

1

600w

4

 

3

3

3

3

2

700w

 

3

3

3

 

800w

3

 

 ファン選択の 計算が三洋電機 さんのホームページにもありますので、これを元にファンを検討すると簡単に自動計算してくれます。


6-7.ボックスの材質

ボックスの材料ですが、原理としては厚くて重ければ遮音性能が向上しますので、性能追求であれば 厚く、重く、大きくが理想です。

実用範囲で利用しやすいものは、木材でしょう。条件として材厚は、ねじくぎが簡単に打てて失敗が少なく、ネジや丁番などの周辺部品のサイズから15㎜~20㎜。もちろん厚さを厚くすればより遮音性が上がります。

材質は、
  ラワンベニア(ラワンの合板)
  ラワンランバーコア(ラワンの薄い板を表面に貼った集成材)
  シナベニア(シナの合板)
  シナランバーコア(シナの薄い板を表面に貼った集成材)
  MDF(medium density fiberboard、中質繊維板)
 これらの中から選ぶのがいいと思います。

シナランバーコア MDF ラワンランバーコア ラワンベニア

DIYに向いているのはシナランバーコアかシナベニアでしょう。ニスを塗っただけでも 、それなりに仕上げられると思います。ベニアは木口(切断面)へのネジ部分などちょっとコツがいります 。

音響性能的にすぐれているのはMDF(中質繊維板)です。木屑を接着剤で固めた板で、均一で重量があります。オーディオ用のスピーカーによく使用されています。ただし 、水に弱くもろいので、仕上げ方法・ネジくぎの使用には、注意が必要です。当社では、音響効果を重視して、最終的にMDF材を使用しました。

これら材料は、15㎜×3尺×6尺(15㎜×910㎜×1820㎜)で3.500~6.000円ってところでしょう。コストを抑えたいのですが、あまり安いものを選ぶと後で苦労しますのでよくご検討ください。・・・

通常、DIYだとお奨めは作りやすさでシナランバーコア厚さ15㎜~20㎜。
性能でMDF厚さ15㎜~20㎜を選ぶといいと思います。
MDFとランバーコアの性能の違いですが、環境音が35dB程度であればそんなに差を感じませんでした。30dB以下(夜間静かな部屋) を目指すならMDFをお奨めします。重量による低音域の減音の差が出ます。


6-8.のぞき窓

内部確認にのぞき窓をつけると便利です。確かに窓部分は薄いので音響的に音が出るように感じますが、実際に製作してみると、それほど差 を感じません。これは、PCの騒音源が主に後ろが側であり、正面から音が出ていないことが原因じゃないかと思います。
窓の大きさもそんなに関係ありませんでした。厳密に言えば正面部分にも吸音材を貼り付けた木材のみで仕上げた方が、音響的に優れているとは思いま すが。
窓の材質はポリカーボの3ミリぐらいでいいと思います。材質としてはガラスもいいのですが切断加工が難しい事と、取り付けが簡単でないので経験のある方以外お奨めしません。
固定方法は簡単で、板に穴を開けてもくネジで固定したふだけ。これで十分なようです。ただし、木材とポリカーボネートの間に両面テープなどを取付け、隙間が無い方がより音漏れを防げると思います。
使用した感じでは、24時間稼動のPCでは、のぞき窓は無くてもいいとおもいます。性能的には無い方が優れていま すので。

 


6-9.丁番・錠・キャスター

丁番の取り付けは、通常の丁番を使用しました。今時は、スライド丁番のほうが調整が楽なのですが、 スライド丁番ではパッキンのスポンジに隙間ができてしまいます。そこで、昔ながらの丁番となりました。丁番の数は、ドアの大きさにもよりますが2個で十分でしょう。
それよりも、ドアの開閉が多いと丁番の取り付けねじ部分がバカになる事がありますので、念のため長丁番を使うのもいいかもしれません。

ドアの錠は、いろいろ考えられますが、とりあえず安価で確実なパチン錠としました。

キャスターが付いていると運搬、移動には非常に便利ですのでお奨めです。キャスターの車輪は、振動防止のためゴム製のものがいいと思います。問題になるのは机の下に入れたいなど高さ制限があった場合です。キャスターの高さを考慮して設計を行ってください。運搬・移動が多いと思われるときはボックスの下に1枚木材を追加して強度を上げた方がいいと思います。 長い木ネジでしっかりと固定しないと、キャスターで移動中に段差などにぶつけると簡単ににねじごと外れます。


6-10.ファン電源

PCボックスにファンを付けるのに電源が必要です。便利な電源が販売されていますので、今回市販品を利用します。本来は外付けHDD用のようですが、12v5vを出せて比較的安いので使いやすいと思います。
PCと組で考えるならばPC本体から電源供給を受ければいいのですが、今回は単品で動くようにするためこの部品を使用します。


6-11.縦型か?、横型か?

実際の設計に当たり、縦型(V型上下に吸排気チャンバーが付くタイプ)にするか、横型(H型側面に吸排気チャンバーが付くタイプ)にするか、考えなければなりません。
問題になるのは、設置スペースです。机の下か、机の脇に置くかの違いです。この設置場所が、あなたにとって最良かが問題です。

自作するなら縦型がお奨めです。比較的、製作後の改造も簡単でしたし、幅寸法幅も300㎜以下で製作できます。ファンもPC収納スペースの最上部に取り付けできますので、効率が良いです。ただし、高さは、 最低でも700㎜以上になると思います。写真は試作品ですPC収納部分の高さを600㎜程とったらキャスターも含め全高1000㎜以上になりました。
縦型がいい場合はもう一つ、2・3台の収納のボックスを製作するときです。500ミリ程度の幅で2台収納の静音ボックスが製作できます。PC静音ケースをご検討される方は、手元のPCが数台あるなんて方も多いと思います。価格的にもケースファン・木材・吸音ウレタンスポンジの追加だけですので2台用ですが、価格は倍にはなりません。スペースが許されるならば2台用で設計を検討されるのも良いと思います。
ただし、上に物を乗せる場合は、上面がファン交換時などに開く構造になっていますので注意が必要です。
縦型は部屋に置くと大きさに驚きますが、 床占有面積は小さくて済みます。結構 、合理的なんじゃないかと思っています。

横型のメリットは高さを低くできることです。 サイズによっては机の下に収納できます。メンテナンスのフタは側面になりますので。上に物をのせても問題ありません。高さの問題ですが、 幅広の事務机の下に収納するには高さ500㎜程度に抑えなければなりません。今回製作したQB-H01は、収納スペースをできるだけ確保するためにキャスターなしで500㎜程度に仕上げてあります。キャスター 付で500㎜が目標でしたが、汎用仕様ではちょっ難しかったです。PCのサイズ小さめであれば キャスター付で500㎜に設計できると思います。
個人的には、机の高さが通常700㎜で、それにあわせた横型タイプがバランスがいいのではないかと思っています。 ご意見頂ければ いろいろ設計しますの、2台収納タイプも合わせ、ご検討ください。





7.試作H型


7-1.試作H1号製作

仕様は以下のようです。

基本材料はシナベニア15㎜。ファンは、RDM9025S (φ92㎜ 回転数2500RPM×2、騒音値29.22dB) ファンコントローラー 吸音ウレタンスポンジ20㎜  のぞき窓付き。

縦型タイプ製作より集めた基本データをもとに、横型タイプの製作をおこないました。高さが大きいと収納スペースで制約があります。多くの場合机の下に収納が望ましいと思われますので、それらに合わせ、高さをできるだけ低く設計しました。
V型(縦)の上下の吸排気消音室を側面に持ってくる形状で高さを低く抑えました。基本的な考え方は、V型(縦長)と同じですが、H型のほうがちょっと製作が複雑なような気がします。高さ許されるのであればV型のほうがシンプルだと思います。

何度も試作を重ねているうちにファン取付部分からの振動がボックスを共鳴させてるような音がしましたので、ファンの取付方法も研究し、簡易なフルフローティング方式になりました。これにより静音ボックスに伝わるファンからの振動の軽減が図れました。

この機種も最終的にお客様に使っていただきました。小型のPCを入れるとPCの音は完全に消えます。昼間では暗騒音が大きいので気づきませんが、夜間になるとボックスのファンの音が気になり出します。ファンコントローラーでファン回転数を1500RPM以下にするとほとんど聞こえなく、動作が分からなくなるそうです。当分の間、テストしていただくことになりました。


7-2.試作H2号機

基本材料はシナベニア15㎜。
消音ウレタンスポンジ20㎜(PC収納部)
消音ウレタンスポンジ10㎜(消音室部分)
今回、ファンはφ120 、ファンコントローラー、のぞき窓付き
外部もウレタン塗装を行い。塗装による静音効果も合わせて確認。静音室を大きくして消音効果を検証。消音室の膨張チャンバーの形状変更。ファンの大きさ。ファンの向きを検討。ファンから発生する騒音を極力軽減。
発生音検証


7-3.試作H2号機測定

試作10台目
試作十台目のファン取付部分改良し、ファンからの振動を極力抑えたタイプの計測。実際にPCを入れて計測します。

実験機での計測
30dBまで計測可能な「スマートセンサーAR814」誤差±1.5dB
 

測定静音ボックス単品

ボックス単品で計測。今回はてテストのためMAX3800RPMのファンを装着。回転数による音の変化を調べ ました。
1800RPMを中心に計測しているのは、製品装着予定のファンがMAX2000RPMで、ボックスにつけると空気抵抗で回転が10%ほど落ちるので1800RPM程度で回転するため です。ボックス単品だと計算上30dBを下回る結果となりました。

dB

距離30cm

距離
1

機器の騒音L2
1

暗騒音

36.0

36.0

3400rpm

52.0

45.0

44.42

2500 rpm

41.0

37.8

33.11

1800 rpmドア開

43.6

38.2

34.19

1800 rpm

37.1

36.5

26.86

静音ボックスのファン音がかすかにする

1500 rpm

36.0

36.0

 

静音ボックスのファン音がかすかにする

1200 rpm

36.0

36.0

 

静音ボックスのファン音しない。

 

 

 


計算式:L=10log(10L1/10-10L2/10)

充電器

電器を中央に入れて、ファンを基準の1800RPMに回転させ、4方向から計測。
中の充電器の分だけ数値が大きい。充電器入れても、ボックス単品でもほとんど同じ結果。
ボックス内のファンの音が出やすい側面、背面でやや騒音外多い。

dB

距離30cm

距離
1

機器の騒音
2
 1

備考

暗騒音

36.0

36.0

 

充電器単品

51.2

47.0

46.64

結構うるさい

フタ明け

47.0

39.5

36.93

 

ファン1800rpm正面

39

36.9

29.62

静音ボックスのファン音がかすかにする

ファン1800rpm 側面

37.8

37.

30.13

 

ファン1800rpm 裏面

37.0

37.0

30.13

 

ファン1500rpm正面

36.0

36.0

 

静音ボックスのファン音がかすかにする

ファン1200rpm正面

36.0

36.0

 

静音ボックスのファン音しない。

 

 

 

 

自宅のHP4400WS

このPCはファン回転数可変タイプ(PWM)で発熱してないときは非常に静か ですが、ひとたび温度が上がると轟音。冬に持ち込まれて来た時には、静かなPC、さすがHP、メーカー品は違うななんて思っていたら、夏になたら部屋中機械室の音です。
私の知っているPCの中で一番うるさい。計算上は50.86→31.03で-19.83dBの減衰。数字はいいと思いますが、現実に静かな部屋で聞くとちょっと気になる 感じ 。

dB

距離
30cm

距離
1

機器の騒音
2 1

備考

暗騒音

36.0

36.0

 

 

PC裸フル回転前面

51.2

47.3

46.97

PC裸ファンフル回転後ろ

57.8

51.0

50.86

強烈!、すごくうるさい。

PC裸ファンLOW

36.8

36.2

22.73

ほとんど音がしない感じ

PC裸ファン中

44.3

41.2

39.64

まあそれなりに

PCファン最大
ボックスファン0RPM、ドア開

51.9

45.6

51.79

 

PCファン最大
ボックスファン0RPM、ドア閉

37.6

37.0

30.13

 

PCファン最大
ボックスファン1800RPM、ドア閉

38.5

37.2

31.03

 

PCファン最大
ボックスファン1300RPM、ドア閉

38.2

37.2

31.03

 

 

 

 

 

 

自宅のオリジナルPC

このあたりが標準的な、うるさいPCではないでしょうか。ボックスに入れた結果、計算上は1800回転で30dBぐらい、20dB以上の減衰ですからとりあえず及第点でしょうか。

dB

距離30cm

距離
1

機器の騒音
2 1

備考

暗騒音

36.0

36.0

 

PC単品フル回転

44.2

41.0

39.35

 

ボックスファン切ドア開

45.2

38.8

35.57

 

ボックスファン切ドア閉

36.9

36.4

25.84

ほとんど音がしない感じ

ボックスファン1800RPM

37.8

37.0

30.13.

1mで分かるか分からないか

ボックスファン1300RPM

37.1

36.5

26.86

ボックスファン1100RPM

36.5

36.0

 

30cmで稼動がわかる

 

 

4種類の計測を行いましたが、静かな部屋で計測を行うと、小さな音が気になります。体感では、あともう少し静かになればいいと思います。ファンの取付方法や、消音室の形状などいろいろ試して試して、もうすこし改良します。そろそろ最終段階に入ってきました。
塗装についてですが、数値的にも、体感的にも違いが分かりませんでした。


7-4.試作H3号

ここまで、基本テストも含め10個以上の静音ボックスを作ってきました。いよいよ最終段階の製品プロトタイプです。
基本材料は、MDF15㎜。
吸音材はウレタン20㎜
ファンはφ120㎜2000RPM×1(テスト用にφ120、3800RPMも用意。)
ファンコントローラー
のぞき窓付き

より音響性能の向上のため、DIYでの製作にはクセが在りますが、MDF材を使用。より音響効果を高めました。ただし製作してみると結構重い。箱全部で、これまでのシナランバーコア材のものの倍近い30㎏近くになりました。
ファンは発熱量計算から400-500Wまで対応するφ120 2000RPMを選択。
消音室形状、ファン取付部分などを再検討し製作しました。
MDF材の接着は木工用ボンド+木ネジとしました。


7-5.試作H3号機計測

静音ボックス単体

試作H2号に比べ2倍近い重量アップ。細部にわたりチューニングされた試作H3号機。重量増加が計測数値にどのように表れるのか楽しみです。

ボックス単体
dB

距離
30cm

距離
1

機器の音
2 1

備考

暗騒音

35.0

35.0

 

ファン3500rpm

42.2.0

41.2

40.01

ファン2500rpm

37.9

36.6

31.49

ファン2000rpm

35.9

35.5

25.86

静音ボックスのファン音がかすかにする

ファン1800rpm

35.5

35.2

21.73

数値には出ないが、静音ボックスの
ファン音がかすかにする

ファン1500rpm

35.4

35.2

21.73

静音ボックスのファン音しない。

ファン1200rpm

35.0

35.0

 

 

 

 

充電器

比較のため当初より使用していた充電器今回も計測しました。

充電器 dB

距離30cm

距離
1

機器の騒音L2 1

備考

暗騒音

35.0

35.0 

充電器単品

50.6

44.0

43.42

結構うるさい

充電器フタ明け

39.5

36.8

32.11

 

充電器フタ閉

35.8

35.4

24.84

 

箱ファン2000

36.0

35.6

26.71

 

箱ファン1800正面

35.9

35.5

25.86

静音ボックスのファン音がかすかにする

箱ファン1500

35.5

35.4

24.84

 

 

 

 

 

 

オリジナルPC

多分相当うるさい部類に相当する我が家のオリジナルPC

オリジナルPC

距離30cm

距離1

機器の騒音L21

 

暗騒音

35.0

35.0

 

裸フル回転

45.4

41.0

39.74

 

ケース入れボックスファン切ドア開

44.5

39.5

37.6

 

ケース入れ1800rpm正面

36.6

36.0

29.13

 

側面ダクト側1800rpm

37.1

36.0

29.13

 

側面1800rpm

37.0

36.2

30.03

背面1800rpm

38.0

36.6

31.49

 

 

 

 

 

 

静音ボックス単品で、ファン回転MAX1800RPMで計算値で30dB以下の騒音を達成。概ね当初の目標の数字が出 せました。また実際の使用に最も近いと思われるオリジナルPCを入れた状態でも計算値30dBを切りました。機器の大きさ、重量をもっと増やせばより静音性能は上がると考えられますが、バランスを考えると このぐらいがいいセンだとおもいます。ただ、まだ背面に出る音が少し大きいです 。排気音と配線取付用の穴からの音漏れと思われます。背面に関しては、もう少し改良しようと考えています。
とりあえずこれにてH型の試作はとりあえず一旦終了とします。


7-6.実際どのくらいの静音ができたの?

追加でお話しておきます。
以前に書いた「どこまで静音が必要なのか」と重なりますが、どの程度の減音を目指してきたかをお話します。今回製作した試作静音PCボックスのコンセプトは、今まとめてみると、”少しうるさいPCを夜中に寝室に 置いて気が付かない程度にする”ことです。数字で表すと概ね40~50dBのPCを30dB以下にすることが目標なのです。
例えば、55dBの騒音を持つPCを夜中に全く稼動に気づかないないようにするのは、このボックスでは無理だと思います。50dB以上の騒音を持つPCを入れると、減音効果は十分にあると 思いますが、夜中の寝室に置くのはちょっといただけません。(50dBはφ120×38-3800rpmのファンをまわすと出る騒音で、体感では 静かな掃除機並み。)また、静音PCと言われるPCを入れた場合、減音は大したことはありませんが、全く分からない程度まで騒音を低くできるでしょう。
以上のように、今回のこのボックスは、”少しうるさいPCを夜中に寝室に置いて気が付かない程度にする”レベルで、最大の効果を発揮するものだと考えています。


7.作業工具・材料


作業工具

今回静音ボックスを製作に当たり次のような工具 ・部材を使用しました。キット購入の方・自作の方参考にしてしてください。

PC静音ボックス組立てに 必要な工具・材料
(キットを購入した場合に必要な工具・材料を書いています。)

電動ドリル

穴明け(ネジ〆共用もあります)の必需品。充電式が主流 に。DIYに一台在ると非常に便利です。日曜大工で最初に買いたいのがこれでしょう。 安価な物も有ります。

Fクランプ

接着や固定に使う。とりあえず安いものでもいいと思いますが、1~2本ぐらいはあった方がいいと思います

サンド
 ペーパー

切り口の仕上げや、塗装の下地作りに使います。 #150~240

ドリルの刃

今回組立て下穴用にφ2.5㎜、鬼目ナットM6用にφ8.7~9.0㎜を使用

面取りツール

木ネジのザグリ加工に使用します。専用工具でなくても大き目のドリル刃でも代用できます。

カッター

大きいほうが楽です。

金属定規

木材のケガキや、ウレタンスポンジを切るときに使用します。1メートルほどのものが在ると便利です。

6角レンチ

鬼目ナットを入れるときに使います。 M6-6㎜

はさみ

 

+ドライバー

一般にNo.0~No3の種類があります。一番多いのはNo2。今回は丁番のねじなどが小さいのでNo1も必要です。

木工ボンド

MDFの工作には木工用ボンドは欠かせません。

シリコンシーラー 今回、スピードコントローラーの取り付けに当たり木材と金属部分の隙間用にし使用しました。

 

今回製作に使った道具・材料
(最初から製作するのに必要な主な工具)
電動丸のこ 直線切りの定番。定規を当てて切ると直線が簡単に切れます。 ケガし易いので十分注意してください。
寸法がはっきり分かっているなら、ホームセンターでカットしてもらう方法もあります。下手に切るより正確で、工具を買わなくてす みます。なんといっても怪我の心配がありません。
ジグソー 曲線を切るのに便利。定規を当てれば直線も切れる。丸穴や曲線コーナーに使用。スピーカーの 大きな穴などもこれで明けれます。
トリマー 先端につけた刃(ビット)を高回転させて木材の側面を削ったり、掘り込み穴あけを行う。 今回はファンの丸穴明けに使っています。使い方によっては非常に多目的に使えます。ただしうるさい。
スライド丸のこ 丸のこが、上下前後にスライドすると思ってください。工作全般にあると非常に便利です。 直角・角度切りが簡単にできるので工作が簡単になります。
ボール盤 加工物を固定して垂直に穴を開ける道具。工場の加工機械の基本的なものです。穴あけの必需品。なんにでも多用します。

昇降盤 木工機械の定番。プロ用の道具です。写真は角度が付けれるタイプ。ただ昇降盤も結構危ないので、大きな材料は、 電動丸のこで切ったり、材料店で切ってもらったりしています。
インパクト
 ドライバー
ネジ〆専用の電動工具、充電式が主流に。ネジをしっかり・沢山しめるとき威力を発揮します。アタッチメントでドリルとしても使用可能 です。
自在錐 ファン取付穴の加工に使いました。このタイプは大きさが自由で、きれいに明きます。穴加工の他の方法はルーター・ またはジグソーであけます。
スプレーガン 塗装用のスプレーガン。ウレタン塗料などを吹くときに使用します。
ランダムアクションサンダー 塗装の平面下地磨きに。効率的に磨けます。

 

今回製作に使った材料 一覧
 
MDF材 medium density fiberboard、中質繊維板
15mm×910×1820を2枚程。比重0.65程度ですから1枚当たり約16㎏。木材としては重い部類です。
ポリカーボネート板 のぞき窓に使用。厚さ3ミリ ぐらいでいいと思います。PCの稼動のみの確認であれば小さくていいと思います。
吸音ウレタンスポンジ 厚さ20㎜ 1×2mが基本サイズ 。ボックスのサイズによりますが1~2枚必要です。入手が難しければ当社でも小売します。
隙間テープ 幅15㎜厚さ10㎜の両面テープ付き隙間テープ。ホームセンターで売ってます。
両面テープ 吸音ウレタンスポンジを貼り付けるのに使用します。工業用の両面テープがいいと思います。幅は15-20㎜ぐらいが使いやすい です。使用量は20m×2巻=40m/1台程度でした。当社でも小売します。

配線クランプ ファンや電源の配線を固定するために木ネジで止めて使用します。 ステープルでも良いかもしれません。
シリコンスプレー 木工機械のスライド部・刃、ウレタン切断時すべりをよくするために使うと便利です。
結束バンド 内部配線を束ねるのに使います。
丁番 一般的なステンレス丁番。今回は64㎜サイズを使用。 ネジ取付部分の強度が心配な方は長丁番がお奨め。
キャスター ゴムキャスターφ50㎜、前側にはストッパー付を使用。 今回は木ネジで固定していますが、場合によってはボルトナット止めもいいです。
ゴム足 キャスターを付けない場合に底面に木ネジで取付けます。
木ネジ ごく一般的な木ネジ。 部品取り付けなどに使用。今回板厚15㎜を使用したので板厚より短い3.3×13-15㎜ぐらいが便利。
タッピングネジ タッピングネジとも呼ばれる。木ネジは、先端方向に緩いテーパーで細くなるのに対し、先端部分を覗いた大半の軸径が一定している。従来の木ネジよりも締結力が高いことにより木工でも多く使われている。キャスター取付に使用 しました。3.8×30㎜
スレンダースレッド 軸細コーススレッド、スリムビス、Fビス、造作ビスとも呼ばれる。コーススレッドネジより細く造作物の組上げ用として使う。細いため材料が割れにくい。今回組立てに 使用しました。3.3×35㎜
鬼目ナット 鬼目ナット(Eタイプつば無)
M6×13~20(下穴8.7-9.0)
ダクト側面板取付・背面配線穴板に使用しました。
 
M6ネジ ジョイントコネクターボルト
M6×30~35
ダクト側面板取付・背面配線穴板に使用しました。
パチン錠 安くて、取り付けが簡単。ホームセンターでも売っています。 大きさはいろいろありますが、ホームセンターの表示は(中)です。ドアの板厚から選ぶのがいいと思います。
ファン電源 HDDの外付け用電源。 色々なメーカーから出ています。今回使用したもは、玄人志向KRAC-HDDX2

ファン 静音ボックス冷却用ファン 。通常取り付けは木ネジ、ボルトナットなどで取付ける。
スピードコントローラー ファンのスピードコントローラー 。取り付けはアルミアングルで固定しました。今回使用は、回転数、温度表示可能なSumbeam社製DTC-BK
塗装用パテ 塗装前のネジ穴埋めなどに使用しました。
水性ニス・刷毛 仕上げの方法いろいろありますが、一番簡単な方法です。木材を保護してくれます。MDF材は、塗料吸ってしまうと思うので、何度か重ね塗りをする必要あると思います。ちょっと色つきの方が良いかもしれません。




8.製作


組立て

試作機の組立て工程を ご覧ください。(最終的な製品とは若干形状が組立て方法が異なりますが、概ねの手順は同じですので参考にしてください。)

1.材料の準備

①各種材料を準備します。

2.ボックスの組立て

①組み立てる板同士の組み合わせを確認します。 組み立てて順も考えてよく確認を行ってください。
 

②組立て罫書きラインを書き入れます。1辺に対して3~4本程度のネジ位置をケガキます。 板縁面角に近いと割れる心配が在るので角から20~30㎜程度あけてケガキます。

③φ2.5ドリルでネジの下穴を開けておきます。合わせてザグリも行っておきます。

④仮組みを行い③で明けた穴に合わせて下穴をあけます。下穴を開けないでもネジを打つことはできますが、万が一板が割れることを恐れての念のための穴明です。ネジはFビスの3.3×35㎜を使用。
接着剤を付けてネジ締めを行います。余った接着剤をよくふき取ります。
三面を組み立てた状態。
ダクト部分とPCが入る境目にある板を取付けます。今回は仕切り板を先に取付けてしまいましたが、順番としては下のダクト内部の板を取付けてからの方が組立て順として良いようです。
ダクト内部の仕切り板を取付けて行きます。この際後でつける吸排気チャンバー側面フタを考慮し側面ふたの部分の面が出るように注意して組み立ててください。
上板を取付けます。
側面ダクトフタを取り付ける鬼目ナットのための木片を4箇所取付けます。(ボンドだけの取り付けですので滑って位置がずれないことを確認しながら行ってください。 (鬼目ナットが取り付くをよけてボンド+木ネジで止めるのも良いです。)
ボンドが完全に乾くまで時間をおきましょう。
吸排気ダクトのフタ取付ボルトの下穴(φ2.5)を開けます。受け鬼目ナット取付部分も合わせて穴を開けます。
吸排気ダクトのフタ取付ボルトの鬼目ナットの取り付け穴を開けます。
鬼目ナットを6角レンチで挿入します。
ダクトフタの板にφ7.7~8㎜の穴を明けネジを〆てしまり具合を確認します。取付面が出ないようであればカンナ、ヤスリなどで調整を行います。

塗装を行う場合は、各パーツをこの時点で塗装します。

ファン取付プレートにファンを取付け木ネジで固定します。今回は、ファンのテストを行うためにファンをアルミプレートに付けてから、ボックスの木材部分に取付けています。 市販の防振取付部ブッシュを利用。取付ブッシュを直接木材に取付けられませんので、アルミ板としています。
スピードコントローラーをアルミアングルや木材で補強して取付けます。 今回はアルミアングルをリベット止めで止めてありますす。ネジ2本止めですが、後で木材との隙間をシリコンシーラーで埋めればしっかりします。
吸音スポンジを切って貼って行きます。できる限り新しい切れるカッターで切ってください。潰す感じではなく、最初の部分は押し引きして刃を入れてその後一気に切るときれいに切れます。その際カッターの刃にシリコンスプレーをかけておくとスムーズです。
両面テープを、木材側に貼りよくこすっておきます。貼り付け幅は50㎜~100㎜程度でいいと思います。特に底面は最小限でいいと思います。
スポンジが張りにくいところは、スポンジに両面テープを貼ってから木材に貼り付けても良いです。
背面の配線穴部分はあらかじめスポンジをを切り抜き、貼り付けます。
背面のアルミプレートに背面配線穴と同じにスポンジを貼り付けます。
PC静音ボックス背面。組立てて、ねじを取付けた状態。
前面ドアにポリカーボネート板を両面テープで貼り付け、木ネジで固定します。
丁番を取付けます。

ドアの当たり部分に隙間テープを貼り付けます。

 

パチン錠を取付けます。
吸排気消音チャンバー内にスポンジを貼り付けます。
吸排気消音チャンバー内全体に隙間の無いようスポンジを貼って行きます。

スポンジの上から電源配線・ファン配線を固定・結束します。

吸排気消音チャンバー側面フタにケガキを入れえて必要のない場所にスポンジを貼らないようにスポンジをカットし貼り付けます。
吸排気消音チャンバー側面フタを取付ねじを締めた状態隙間が無いか確認します。
スピードコントローラーの周りの隙間から排気チャンバーから空気漏れがありますので、しっかりマスキングを行いシリコンシラーで隙間を埋めます。

以上で基本的な組立て手順を終わります。




10.簡易タイプの製作


10-1.簡易タイプ

静音ボックスを、色々研究してきましたが、性能を求めると、ちょっと大掛かりになってしまいました。もっとシンプルに作りたいのですが、冷却に はファンが必要になりますし、そのケースファンの音を消すために消音チャンバーなどの構造が必要で 、今まで製作してきたものの性能はいいと思いますが、もう一つシンプルにできませんし高価です。
そこで、今回は、ボックス自体にファンの無いタイプを考案しました。本来PCケースには冷却用ファンが付いています。そのファンを利用して冷却を行う方法を試してみます。 考え方は、市販されているPC背面に付けるファンの消音カバーを大きくした考え方です。ボックスの重量も十分ありますし、内部の吸音スポンジも厚いので効果は桁違いだと思います。

以前の実験で、PCを吸音スポンジの貼ってある、ただの箱のなかに入れると、十分に音が消えることが分かっています。この方式で、冷却の問題が解決されれば結構な消音化が可能です。
用途としては、事務所などある程度周辺イズノのある場所でのうるさいPCの静音化。一般に言う静音化PCのの最終仕上げの静音化用。こんな用途で使うと効果が実感できると思います。

問題になるのは、どの程度の消音化が計れるか?
目論み通りの消音効果が発揮できるか?
そのときに冷却に問題が発生しないか?
ってとこでしょう。
難しいことは、あまり考えず実際に作りながら考えて行く制作方法で製作開始。
製作は、基本的には簡単なので興味のある方がDIYできるように、できるだけ詳しく分かりやすいように書いてゆきます。もしご不明な点有れば、メールにてご質問ください。できる範囲でお答えしたいと思います。


10-2.基本設計

PCの大きさから、静音ボックスの大きさを決定します。今回は、幅200㎜・高さ450㎜・奥行500㎜のケースが入るボックスを作ります。
木材の厚さは15㎜・材質はMDF。吸音ウレタンスポンジの厚さは20㎜。これよりボックスの寸法を決定します。
底面は、スポンジの上に板を置き、その上にPCを置いて底に伝わる振動を防止します。PCの前後に隙間を空け空気の流れる道を作ります。空気の吸入口は正面または下側から冷たい空気を吸い込みたいのですが、吸い込み口から音が出るのを嫌って、今回は、天井部に吸入口を設置。開口面積は40×200=8000㎜2。PCの上下左右側面は、ほとんど隙間を作りません 今回は左右5㎜、上15㎜。前後については格50㎜ほどの隙間で製作しました。50㎜の寸法は、その隙間を空気が通るように考えた 寸法です。

前後の隙間、排気口の大きさは、PCのケースファンの容量からこれくらいかなと考えて設計しました。PCの温度変化は、実際に使ってみて確認したいと思います。

 


 

空気の流れに関しては、以下のような考え方です。ほとんどのPCの場合正面から吸入して、背面に出す方式を採用していると思うので、この方法は有効だと考えます。PCケースの金属フレームからの熱放出 なども考えられますが、ほとんどの熱は経験的に電源ユニットあたりから出るため背面上部の排気口からの排出で問題ないと考えました。

 

ボックス全体の吸排気

 

使用方法は、スポンジを下にして底板をおきます。その上から、ボックスをかぶせます。隙間はスポンジ同士の密着でほとんどなくなります。操作上の問題で正面だけはドアとして正面の操作ができるように製作しました。 場合によっては背面フタも開閉できる良いかもしれません。


 

10-3.製作

材料の切り出し

大判のカットは、近くのホームセンターでしてもらいました。細部のカットはジグソーで行いました。細部カット無しで の設計も可能です。(スポンジのカット面が見えますがカット部分の寸法分をを小さくすればOKです。

ケガキを行い、下穴を明ける。

下穴は、2.5㎜のドリルで行いました。組立て時に相手側板にもドリルで下穴を開けた方が、板が割れることが無いのでいいと思います。

スリムネジを使用するためザグリを行う

写真は専用工具で面取りを行っていますが、少し大き目のドリルでザグルと良いでしょう。クランプ使ってボンドけで組み立ててもいいと思います。

仮組立てで寸法確認
ボンドは、たっぷり塗りましょう。MDF材は、ネジが利きが悪い。
天井と背面の組立て

ちゃんと下穴を開けてから製作したほうが良いです。いい加減にネジを締めると結構、板、割れます。

側面の組立て
正面ドアの取付・パチン錠取付

丁番・パチン錠の木ネジはMDFの材料には利きにくいと思います。バカになったり締りが悪いときは、瞬間接着剤(アロンアルファなど)を、穴に入れてから締めるとよく締まります。

吸音ウレタンスポンジの貼り付け

スポンジのカットについては以前の項を参照。

両面テープを貼り付ける。

シンナーなど用材でよく表面を拭いて、両面テープを張ってください。シンナーが無ければよく絞った雑巾で切粉などふき取ってから行います。場合によってはスポンジ側にテープを張ってから、木材に貼り付けてもよし。貼り付けてから十分に抑えて接着を確認します。下側の切り込みは背面の配線出しのカット。寸法は20×100。場合によっては30×100ぐらいの方が配線取り出しやすくて良いかもしれません。.

完成

 


 

10-4.計測

テスト用のPCを使って音を測定します。やはり真上に穴が開いていますので、真上で聞くと音漏れします。しかし、正面や側面は思った 以上に静かです。数字的には以下のようです。今回テストでは、可変ファンを取付けたテスト用PCを用意して通常のPCでは最もうるさいであろう50dBと、多分ごく普通のデスクトップ型PCのノイズの45dBを発生させました。50dB・45dBの変化はファンのスピーコントローラーでおこないました。

 

(dB)

距離1m

機器の騒音
L2

備考

暗騒音 33.0dB    
PC単体 50.0dB 49.91  
50dBをボックスにイン 36.5dB 33.93  
PC単体 45.0dB 44.72  
45dBをボックスにイン 34.0dB 27.13 ☆私的な静かの基準のの30dB切り

計算式:L=10log(10L1/10-10L2/10)。計測器スマートセンサーAR814,


 

10-5.結果

実際、事務所と我が家で使ってみました。事務所の場合周辺の暗騒音は40dB程度です。PC単品だと事務社内で最も大きな音を出していたPCが、ボックスに入れると分からないくらい小さく感じます。他のPCや屋外の音のが気になりはじめます。1m離れた場所での計測では、PC単体で40dB。静音ボックスに入れると37.5dB。事務所の暗騒音が37.5dB。でしたのでボックスを使用した場合周辺騒音の方が大きくなってしまったようです。部屋がずっと静かになりました。今後、温度の問題がければ 当社の事務所では、このボックスでの減音で十分と思います。

私の仕事用のPC
(静音なんて考えていない古いPC。相当うるさいです。)

インテルpentium(R)4 2.4GHz、
HDD Maxtor75GB×3機
OS/WINDOWS XP
電源は430W

CPUファンφ80/4000rpm×1
排気ファンφ80/2000rpm×1
HDDファンφ80/2000rpm×1 
ビデオボードファン改造品 φ80/1000rpm
電源ファン 不明 大きな音がする。

設置はまず床板の上にPCを乗せます。そのときスポンジは下側です。
ボックスを上から被せます。
回線は背面下側の切込みから出します。
ボックスとPCケースの隙間を余ったスポンジでふさぎます。これにより排気された暖まった空気を吸い込んでしまうのを防ぎ、前側から吸い込み、後ろ側に排気する空気の流れを造ります。
正面のふたをすれば完成です。完全な消音とは言えませんが大幅な減音ができました。

自宅において、使用しましたが、自宅のアクリル製のPCケースが結構大きく、そのままでは入らなかったため、側面の吸音スポンジを外してボックスをかぶせました。それでも-10dB以上の効果があり、47dBが36dB程度に減りました。 ただ、夜中では、「静かだな~」と思えるほど静かにはできません。それでも、大きな効果が出ますし、、低騒音ファンなどに交換したPCをこのボックスに入れれば、気になっていたHDDのカリカリ音から、微かに気になるファン音などは大幅に軽減できると思います。 なにせ7~8000円の材料費で、これだけの効果がある方法はそうは無いでしょう。最新型の静音PCケースより 考え方によっては、コストパフォーマンスが高いんじゃないかななんて考えます。


10-6.温度上昇

事務所のPCで常時使用するべく、ボックスにPCを入れて温度のデータを取りました。使用したのは、負荷テストソフトWinstree Le、温度計測SpeedFan。 WinstreeでPCに負荷をかけ温度上昇が安定するまで計測を行いました。時間は2時間程度。

まずは、ボックスに入れないで計測。次にボックスに入れて30分ほど経過後、アイドリング状態で計測。最後にWinstree Leを使いデフォルトの負荷テスト、CPU負荷100%の状態で温度が安定するまでで計測を行いました。

PCのスペックは、インテルpentium(R)4 2.4GHz、HDD Maxtor75GB×3機 WINXP電源は430Wが付いています。 ちなみに消費電力 の計測ではアイドリング時131W、負荷をかけた状態で171Wでした。思ったより消費電力は、変わら無いのですね。

  ボックス外
PC単体
ボックス内計測前 最高温度

備考

外気温 20℃ - -  
CPU 33℃ 42℃ 55℃ 65℃ぐらいまでがOK?
HDD 29℃ 40℃ 50℃  
PC吸気口 18℃ 25℃ 27℃  
静音ボックス排気口 - 41℃ 48℃ 結構排気温が高い

外気温が20℃の時の計測のため、夏場では、温度もっと上がると考えられますが、通常の使用であれば問題なく運転を行える範囲だと思います。

試しに、排気口、吸気部分にφ120 回転数1200のケースファンを置いて温度変化を見てみたところ吸気部分では、温度変化なし。排気口部分ではCPU温度が2~3℃下がりました。排気口をもう少し大きくできればより良いかなあと とも感じます。
当分はこの静音ボックスを事務所PCに使用し様子を見たいと思います。


10-7.追加情報

先日よりテストを行っています。この静音ボックスです。試用しながら色々といじっています。その中で、温度をおさえるのに非常に効果があった方法をご紹介します。

行ったのは、PCの前面の5インチベイの化粧蓋をとって、PCケースの前面に空気穴を開けたことです。




これにより外気温24℃で、
Winstree Leのデフォルトの負荷テスト時のCPUの最高温度は、52℃まで落ちました。
外気温が4℃上がり最高温度が3℃下がりましたので、-7℃の冷却効果です。
HDDも最大47℃までしか上昇しません。
ボックスの中において、PCのケース自体が空気抵抗になっていた事になります。これは、ケースファンの性能を生かせるような、空気の道ができたためとも言えます。

こんな簡単な方法でこんなに、冷却力が変わるとは思ってもみませんでした。なお音は、変わりませんでした。

今まで、事務所の仕事用PCは、結構うるさかったのですが、作業性などの問題から、机の脇、耳元に置いて、作業をしてきました。今回、このボックを製作して静かにできたため精神的にも非常に楽になったように思います。 興味のある方、一度お試しください。

この製作は、古いMACの静音を消したい方に好評でした。やはりメーカーPCの中には音がうるさいものが有るようです。

個人的にはX-BOX360がうるさいので、静音をこの方法でするといいかなと思っています。ほんとはファン付きの大型ボックスの中に入れてしまえば簡単なのですが、やはり価格とのバランスでこの方法を検討中です。まあ新型が出れば静になるんじゃないかと思っていますが。

 

なお、製作・ご使用は、自己責任でお願いいたします。宜しくお願いいたします。

ご質問は、hp@kow.co.jpまで