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株式会社コイケは福祉機器・健康機器のメーカーです。

技術情報・レポートTECHNICAL REPORT

    

固定スロープとレンタルスロープと段差解消機の比較     

公共施設、道路、店舗、住宅と近年多くの場所で車椅子が利用されるようになりました。段差解消の方法もいろいろ出てきました。その中で。状況に合わせた段差解消方法を考えます。

人力でどこまで?  
 

今でも、用具も使わず人力で昇降を行っている場合を多く見かけます。マンパワーに頼るのはデイサービスや在宅では多いと思います。施設職員も腰痛が原因での退職で人手不足なんて話もありますし、介護者も高年齢化している現在、道具を使わないのはあまりにも原始的な気がします。費用は必要ですが、使ってみるとその便利さを体感できると思います。     

介護用で使うのか自立用で使うのか
 

介護者が付くのか、付かないで使用するのかが大きな違いになります。障害者が自立用として一人で使う場合、レンタルのスロープは通常使えません。(レンタルスロープは基本的に介助者がセットするため)固定式のスロープか段差解消機になります。障害者一人で使う場合周辺のアプローチや操作スイッチの場所、屋内入り口の段差、鍵のなど細部に工夫が必要になります。

どのくらいからの段差に必要?
     

実際にどれくらいからの段差に機器を投入するのがいいのでしょうか?段差昇降が出来るかは、本人と介護する人に大きく差が出ます。本人だけでも20cmの段差を上がってしまう人がいる位です。通常は2-3cmから小型のスロープなどがあると非常に便利になります。もちろんそれ以上は必要だと思います。

レンタルスロープの限界

レンタルのスロープは最大長約3.5m。登坂角度5度で約31cm、8度で49cm 12度で730cm 15度で90cmの段差解消が可能とレンタルスロープメーカーページに記載されています。
健常者が車椅子押して登ってみると分かりますが、12度は結構きついと感じます。ましてや15度は通常考えられません。
公共施設のスロープの基準は3゚程度、段差に対しての長さ約20倍です。
本人が車椅子を操作する場合には5゚まで、介護者が付くなら8゚まで程度が実用的です。15゚は力の強い男性がつ合える限界と思ってください。それらを考えると市販のレンタルスロープの利用で対応できる高さは、50cm程度だと考えていいと思います。

角度とスロープの長さ
   理想的   自力走行用   非力な介護者用  一般の介護者用   最大適応段差 
 使用状況   公共施設の基準  介護しなしで使用   高齢者の方が介護   健常者の方が介護   通常に使用できる限界 
  傾斜角   3゚  5゚  8゚   12゚   15゚ 
 スロープ長さ÷段差
(高さ/長さ)
  19.2倍
(0.052)
 11.5倍
( 0.087)
 7.2倍
(0.139)
 4.8倍
(0.207)
 3.8倍(0.258)
 スロープ長500o    26o   43.5o  69.5 o  103.5o   129o 
 スロープ長1000o   52o   87o  139o  207o   258 o
 スロープ長2000o  104 o  174o   278o  414o  516o
  スロープ長2500o  130o  217.5o  347.5o  517.5o  645o 
 スロープ長3000o  156o   261o  417 o  621 o   774o
 スロープ長3500o  182 o   304.5o  486.5o   724.5o   903o
 スロープ長4000o   208o   348o 555o    828o   1032o
 スロープ長 5000o   260o   435o   695o  1035o  1290o
     
レンタル段差解消機とレンタルスロープのコスト

レンタル用スロープは最大長約3.5m。市販のレンタルスロープの限界は50cm程度と説明しましたが、価格を比較してみましょう。
段差解消機は50cm昇降のものであればは定価500.000円程度。レンタル料20.000-30.000円。レンタル用スロープは3500oで定価352800円。この長さのレンタルはあまりされていないですが、レンタルされるとすれば約18000円程度になると思います。(通常レンタル品としては長さ2500o定価262500円レンタル料12000円程度。)
この価格差では介護者の負担を考えずに、どうにか使えればいいと考えるのであればスロープが有利でしょう。すなわち50cm程度の段差であれば”スロープ+体力のある介護者”で使用できると言えます。経験上50cmの段差はちょうど庭などの地面から室内の高さに上がるときの段差ですので、一番ニーズがある高さだと思います。
ヘルパーさんがいない時に使う、障害者の方が自分で使用する。という用途でなければ、レンタルスロープ+体力のある介護者の利用がコストパフォーマンスは一番と言えます。 。       

レンタルスロープと固定スロープ

介護保険で貸与できるレンタルのスロープと住宅改造の固定スロープの価格の比較をして見ます。固定スロープは貸与扱ではありませんのでレンタル価格ではなく販売価格で見てみます。在宅やあまり大きくない段差(50cm程度)において段差解消リフトにするかスロープにしたらいいかとの質問をよくされます。単純に1m以上の段差であればすぐに電動式の段差解消機をお勧めするのですが・・・。設置場所はあるとして50cm対応レンタルスロープは、250.000-350.000円。 スロープ製作工事の費用は比較的安く製作して同程度だと思います。ただし安定感は工事設置のスロープに軍配が上がります、手すり等も取付け可能です。レンタル品のメリットは撤去する場合にコストがかからないこと、よって使用期間が短かったとき有利。介護保険の適用範囲なので現状1割負担ですむ。結果、コストを重視すればレンタルのスロープとなります。介護保険・ヘルパー・ケアマネージャー中心の現在の介護システムにおいて、ほとんどはレンタルスロープだと思います。

結果として

結論から言うと、コスト的にはレンタルスロープ、使用感からは固定スロープ、50cmを超える場合は段差解消機こんな感じではないでしょうか。
50cm以下の段差解消はスペース・レイアウト・介護条件が合えばレンタルスロープが主流です。       

  価格    使い勝手   段差の大きさ  コメント 
 レンタルスロープ   ◎
貸与あり
 △   〜50cm程度  介護者が付く条件で 手軽に安く使えます
使用スペースはそれなりに必要
貸与あり
  固定スロープ   △  ◎  小〜大   安定感・使い勝手は一番。スペース必要。
メンテナンス、撤去が大変。自立型。
  段差解消機   ○
貸与あり
  ○   中〜大  比較的大きな段差を省スペースで 可能。50cm以下はレンタルスロープに比べ高価
自立型
貸与あり


高さで分けた場合
     
段差   コメント
 10o以下  車椅子の通過においては問題のない段差
 10100o  住宅改修、簡単なスロープ、持ち運び式スロープで対応、介護者・健常者にも問題になる段差なので対策を考える必要が出てくる段差。
100200o  基本的には持ち運び式スロープや設置式スロープ、で対応。
200o〜500o  レンタルできる持ち運び式スロープで対応。
 500o〜1000o  固定スロープ、段差解消機で解消。
設置のスペース、介護者の年齢、レンタル価格を考えて選ぶ